©Galleria Kajorica
在庫状況や個々のコンディションはオークションページをご覧下さい。一見バカラというよりドーム(DAUM)の様なデザインですが、ドームがソルシやキムなどこういうタイプのデザインを始める前の斬新で先駆的な意匠です。
浮世絵の様な象徴的に繰り返す波とも筋斗雲のようなとも形容出来るガラスの塊がカップ下に溶着されていてジャポネスクと分類している方もいる様です。
珍しいバカラをお探しの方やゴージャスなエッチングは一休み、という方にお薦め。
©Galleria Kajorica
デザートワイングラスH6.9cm2客
バカラマークあり1936年以後製造
口径5.5cm 最大径5.7cm 高さ6.9cm
満水容量100ml程度のデザートワインサイズなので冷酒にも最適です。
ストレートのラム酒等にも良いかもしれません。
©Galleria Kajorica
アンティークバカラ ロッシーニデキャンタ(古いタイプのマークあり1936年以降製造)
直径 14.5cm 高さ25.5cm (ストッパー込み) 高さ18.8cm (ストッパー無し)
首下までで約840ml ワイン用デキャンタ
ロッシーニ というのはイタリアの中部から北部に多い姓ですが、ロッシーニといったら誰でも始めに思い浮かべるのはイタリアの作曲家ジョアキーノ・ロッシーニ(Giochino Rossini 1792-1868)で、彼に由来していると言って良いでしょう。 何故ロッシーニなのか。丸めのカップと波のボトムが、ファンから「ペーザロの白鳥」呼ばれていたのロッシーニを連想させたのでしょうか。。。デキャンタのシェイプはまるでロッシーニの肖像画を見ながらデザインしたみたいです。。。。
ロッシーニ はイタリア中部アドリア海に面した町ペーザロ生まれ、当時のローマ教皇領の出身ですが、 フランスとは縁の深い作曲家でした。
ジョアキーノ・ロッシーニ肖像画 (Étienne Carjat画)
晩年の肖像画からは想像し難いのですが若い頃のロッシーニは美男でとてももてたというエピソードが残っていますし、 渡仏当時イタリア通のスタンダールが「ナポレオンは失せたが、別の男が現れた」と絶賛したくらいだったので、きっとカリスマ性の高い人物だったのでしょう。
若い頃からイタリアで才能を高く評価されていたロッシーニは、「セビリアの理髪師」で一躍国際的に有名になり1823年にパリを訪問。1825年、フランス国王シャルル10世の即位に際して、記念オペラ・カンタータ『ランスへの旅』(Il viaggio a Reims)を作曲、国王に献呈し、「フランス国王の第一作曲家」の称号と終身年金を得ることになります。
でも37歳でウイリアム・テルを発表した後、オペラの作曲からは引退。その後は小品やスターバト・マーテルなど宗教音楽を一般のコンサートのレパートリーとして演奏出来る様に作曲する等、音楽界に貢献し 1868年パリで生涯を閉じています。始めパリの墓地に埋葬されそのチャペルも現存しますが、現在のお墓はフレンツェのサンタ・クローチェ聖堂。誉れある偉大なフィレンツェ人を埋葬・追悼する場所に1887年に移されています。もっともフランスと関わり合いの深い前述の『ランスへの旅』というオペラは(フランス王家は代々ランスで戴冠式を行う伝統)のナポレオン失脚後のシャルル10世の即位に湧いたパリで大きな評価を得ます。
だた戴冠式を祝福するための曲で劇場のレパートリーには入れるのは不適当と判断したロッシーニはたった3回の上演の後楽譜を引き取ってしまい、長い間忘れ去らられていました。
1970年代後半からロッシーニ再評価の動きと1977年に大半の楽譜がローマのサンタ・チェチリア音楽院で見つかったことから、貸し出されていた部分の楽譜と合わせの復元が慎重な研究によって行なわれたといます。
劇の内容的には他愛のないコメディーですが、華やかで楽しい舞台で、楽曲は他のロッシーニのオペラと比較しても一際流麗で聞き心地の良い作品で、オペラ好きならドーパミンが止まらない感じ。。。になります。
お味見程度に『ランスへの旅』(Il Viaggio a Reims)を聞きたい方へ音楽リンクはこちらがお薦め。
特にオペラ好きではない方にも親しみやすいデリケートなアリア
Aria: Arpa Gentil (Pesaro 1984)本格的に全部聞きたい方には こちらを是非ともお勧めします。 アンコール込みで2時間45分と長いですがそれだけの価値は十分。
1988年 ウィーン国立歌劇場ビデオ
これも敬愛するクラウディオ・アバドの指揮。一流オペラ歌手やオーケストラの演奏が素晴らしいのもさることながら、モダンな舞台装置とコスチュームを担当した パリのオルセー美術館の改装設計等で知られるイタリア女性建築家ガエ・アウレンティ、演出を努めた舞台監督のルカ・ロンコーニなど当時の一流文化人達がカーテンコールで舞台に並ぶのも壮観でやはりオペラは総合芸術なのだなと再認識してしまいます。
ウィーン国立歌劇場でランスへの旅を指揮をするクラウディオ・アバド(左)と
戴冠式のラストシーン(右)
オペラ好き達の夏の社交の場にもなっていてます。
http://www.rossinioperafestival.it
私も数年前に一週間程滞在してあまりメジャーでない珍しい演目も含めオペラ三昧をしました。オペラ鑑賞だけでなく 期間中市内のレストランでは毎夜あちこちのテーブルで前日や当日にあった上演の我流批評などのオペラ談義に花が咲くのも楽しさのひとつです。
©Galleria Kajorica
市郊外丘の上にあるお城からペーザロの町を見下ろす。2008年夏撮影
市郊外丘の上にあるお城からペーザロの町を見下ろす。2008年夏撮影
ロッシーニは音楽以外に、若い頃から料理が大好きでその美食家ぶりでも、また料理の腕でも有名だったそうで、オペラ界からの引退を表明した後は料理の創作や高級レストランの経営に時間と労力を費やしていたといい、いまでもグルメの間でロッシーニのレシピは色々と伝えられてます。
それらのレシピをいくつか読んでみましたが、トリュフが大好物だったことは一目瞭然。 白トリュフを使ったサラダ、黒トリュフを使ったコンソメスープ等、中でも有名で世界中のレストランでメニューに入れられているのはヒレステーキのソテーにフォワグラとトリュフを載せたトゥールヌド・ロッシーニ。
もしもロッシーニのレシピに挑戦したいというグルメ料理人がこのブログの読者の中にいましたら、以下レシピのリンク イタリア語ですが自動翻訳で挑戦してみて下さい。
トゥールヌド・ロッシーニ
ロッシーニ風マカロニ
ロッシーニ風サラダ
他にアペリティフでミキサーにかけた苺とシャンパンを4:6の割合で混ぜた有名なカクテルがロッシーニの創作だというのはあまり知られていないかもしれません。
写真はイタリアの歴史のあるレストラン、カフェ等をプロモーションするLocali Storici d”Italiaのウェブサイトから許可を取り転載しています。
左から去勢牛の尾のコンソメのトリュフ風味、スパゲティのスカラ座風、カネロニのロッシーニ風、ジャンデュイオット(*1)とトリュフ風味のケーキ「ジョアキーノ」
(*1)ジャンデュイオット: ヘーゼルナッツとカカオ、砂糖を混ぜた滑らかなチョコレート、イタリア、ピエモンテ州特産)